日本乳酸菌学会

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会長挨拶

会長就任にあたって


日本乳酸菌学会 会長
山本憲二
石川県立大学生物資源工学研究所

 この度は日本乳酸菌学会の会長という大役を仰せつかり、身のひきしまる思いをしています。誠に微力ながら学会の発展のために力を注ぎたいと思っております。私自身は非力でありますが、副会長以下、理事の方々にサポートを頂きながら会の運営にあたっていきたいと思っています。どうか皆様のお力添えもお願い申し上げます。
 私は応用微生物学が専門領域ですので、大学の学生に微生物に関することを教えていますが、最初の講義を始める前に、「最も身近な微生物は・・・」と彼らに問いかけると、酵母やカビといった答えが必ず返ってきます。そこで、私は「実際に私たちに最も身近な微生物は私たちの体の中に棲んでいる腸内細菌、それも乳酸菌ではないか」と教えることにしています。腸内細菌の動向がヒトの健康に非常に重要な要素になっていること、中でも乳酸菌のポピュレーションが重要なのだということを説き起こして講義を始める訳です。しかし、彼らに乳酸菌の電子顕微鏡写真を見せると一様に気持ち悪い表情をします。中にはこのようなものが自分の身体の中にいるのかと嫌悪感を示す学生さえいます。すなわち、彼らの多くが持っている意識は、"微生物イコール病原菌、嫌な者、"ということなのです。耳からは「乳酸菌は善玉の菌なのだ。」といった知識をたくさん入れているにもかかわらず、実際の乳酸菌に対する認識が格段に低い証であります。将来の日本の学術や産業を担う若い学生たちでさえこのような意識しか無い訳ですから、世間一般の乳酸菌に対する意識はまだまだ低く、現在の健康志向の風潮に乗った乳酸菌に対するブームの底の浅さと危うさを危惧せざるを得ません。やはり、私たち乳酸菌を研究するものが乳酸菌に対するきっちりとした知見を世間の人々に与え、発信する努力をしなければならないことを痛感する次第です。
 日本乳酸菌学会の役割は、乳酸菌の研究の発展に貢献することはもちろんのこと、上記のような現状に鑑みて、学会からの情報発信や若手の研究者、学生を育成することが本学会の発展のために非常に重要であると考えています。さらに、本学会が世間一般に対して果たす役割もまた大きいと考えています。本学会は設立より今日まで、永年にわたる多くの先達の並々ならぬ熱意と努力が基になって運営されてきました。私たちはその重みを受けとめるとともに、さらに本学会を発展させるべく、新しい企画をもどしどし取り入れて行きたいいきたいと考えております。皆様方のご協力とご理解を頂ければ幸いです。 何卒、よろしくお願い申し上げます。

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